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金丸 遥 展 "ephemeral"

2015.11.13 (Fri) - 12.04(Fri)

オープニングパーティー 11月12日(木) 5:00pm~

金丸遥は東京藝術大学大学院博士後期課程に在籍し、本展ではガラスの植物の「美しさ」の、まさに最高の瞬間を切り取ったイメージでギャラリーを埋め尽くします。

彼女は今回の個展で、彼女が親しんでいるガラスの特性の中にある矛盾を楽しんでいます。
ガラスは繊細さと持続性の両方を兼ね備える「刹那」と「永続」を持つ素材です。
これら二つのコンセプトは昔から人間を魅了してきました。
なぜなら、歳をとる、終わる、消滅するという私たちの大きな恐れと、そのまま変わらずにいたいという密かなる願望に結びつくからです。
確実に、永遠に続くものはありません。
しかし彼女は以前から取り組んでいる「expand」(広がる、花開く)をこの個展「ephemeral」(儚さ)へ発展させ、消滅するというよりはむしろ広がっていくのだという事実表現します。
実際にこの展示では「aqua」(広がりの源である水)によって、エネルギーの象徴である花びらが広がっていくことで新しさを創り出しています。
最後にこのシリーズの中で人間へのポジティブなメッセージを読み取る事ができるかもしれません。
そのメッセージとは、私たちは消滅するのではなくそれぞれに広がっていき、各々の後ろに何かを残していくのだというものです。

彼女は他に2つのシリーズを発展させています。
「profile」では、見る人の位置によって透明からカラフルまで色々な側面を見せるというガラスの別の特性を楽しんでいます。
「木の子の星-cosmos -」では、木の子を星のシンボルとして宇宙を形成しています。
これらの両シリーズによって、人間みなそれぞれの中に全て存在しているという意味が示され、両作品はお互いにお互いを完全なものにするのです。
一目見たときには分からなくても、それが最も小さな木の子であっても、そこにはたくさんの学びと発見があるのです。

Gallery Art Composition

生命は有限である。
人は、その儚い命の輝きを慈しみ、美を見いだす。
それに対し、私が本展において使用しているガラスは、数千年とも言われる永続性のある素材である。
日常には、ともすると見過ごしてしまうような、「生命の持つ儚い美」が無数にある。
そのカケラを丁寧に拾い集め、ガラスという繊細さ持った素材に封じ込めることよって「永続性のある美」をつくり出す。
「ephemeral」のカケラを集積することよって、対極である「刹那」と「永続」を空間に共存させることが、本展の目論みである。

金丸遥

Artist Profile:
金丸遥

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